文档:久石让官网日志/2000年11月

来自宫崎骏与久石让中文百科
跳到导航 跳到搜索
 主页面 久石让官网日志 文档 
 2000年10月 2000年11月 2000年12月
2000/11:NOV
2000年11月
11月6日(月)
帰国。アフリカの帰りにフランスに立ち寄るといったハードスケジュールで、さすがの久石さんも疲労の色が目立つ。立っているのもつらいとのことで、空港から自宅へ直行。とにかくゆっくり休んで頂きたいところなのだが、車内ではスケジュールの打ち合わせを行うなど、相変わらずの慌ただしさ。
11月7日(火)
終日自宅にて静養。アフリカで完全に体調を崩してしまい、仕事どころではない状態。帰国してから発生する熱帯病もあるため検査を受けたほうがよいのだが、病院に行くことすら困難な状況とのことである。とりあえずは自宅で休んで様子を見るとのことなのだが・・・
11月8日(水)
昨日に比べれば少しは楽になったという久石さんだが、本調子には程遠い。まだまだ静養が必要なのだが、過酷にも今日からスタジオワークが始まる。映画「Quartet」宣伝用CDのトラックダウンで、映画用の音源(5.1ch)をCD用(2ch)におとす作業である。宣伝用ということで曲数は少ないものの、メインの曲ばかりなので気が抜けない。「体が本調子じゃないから耳にも自信がもてないよ」と言っていたものの、とりあえずは納得のいくTDが出来た様子。
11月9日(木)
映画の制作開始以来、何ヶ月ぶりかのデスクワーク。スケジュールの確認や制作資料の整理などに追われる。現場での仕事が続いていたせいか「こんなに長く机の前に座っているなんて、落ち着かないよな~」と一言。いまだ体調はすぐれないものの、次の仕事への準備には余念が無い久石さん、そのタフさにはスタッフもあらためて驚かされる。
11月10日(金)
スタジオにてプリプロを行う。新しいソフトを購入し、スタジオでの作業をヴァージョンアップさせるはずだったのだが・・・マニュアルを読みながらのお勉強会になってしまった!慣れるのに少々時間がかるということだったのだが、何だかんだ言いながらもシックな曲を1曲創り上げる。
11月13日(月)
映画「Quartet」の零号試写会。制作委員会をはじめメインスタッフが集まり、映画完成の最終チェックを行う。通しで見るのは今回が初めてということもあり、緊張した面持ちで試写にのぞんだが、2時間弱の上映が終わると皆ニコニコ顔。「お疲れさん!いや~いいですね!!」の声があちこちから湧く。監督が心配していたサラウンドの音色も問題ないとのことで、事実上の「完成」ということになる。
11月14日(火)
事務所にて、来年夏に行われる福島未来博のイベントに関する打ち合わせを行う。ミーティングルームの机の上には、何やらいろんな方々の写真が散乱しているのだが・・・まるで映画制作時のキャスティングのような状況である。未来博ではどんなイベントを計画しているのだろうか?
11月15日(水)
「Quartet」の初号試写。キャストやスタッフの方々を含めた完成披露試写といった感じである。特に俳優さん方は自らの姿をスクリーンで見るのは初めてということもあって「いや~緊張しますよ」という方もいらっしゃる。2時間の試写が終わると同時に、「お疲れ様!」「おめでとうございます!」の声が湧き、試写室は興奮の渦に包まれる。俳優さん方が喜んでいる姿を見て、ニッコリ顔の監督であった。
11月16日(木)
映画のプロモーションやら今後の制作進行について、スタッフらと水入らずのミーティング。一アーティストとしてだけでなく、会社のオーナーとしてもスタッフの言葉に耳を傾けて意見を交わし合う。制作に入ってしまうと時間がとれないため、ここぞとばかりに話が弾んでしまい、気がつけば朝の4時!久石さん、本当にご苦労様です!!
11月17日(金)
国際映画放送カンファレンスに顔を出す。チェアマンとして出席なさっていた大林監督と久しぶりの御対面。映画完成の報告をした後、お客さんにまぎれてパネリストの討論を聴いていたのだが・・・「久石 譲さんにもお話して頂きましょう」という大林監督の一言で、急遽カンファレンスに飛び入り参加。スケジュールが押しているにもかかわらず、パネリストと白熱した議論を交わして場内を湧かした。
11月18日(土)
フランス映画「Le Petit Poucet」(原題 小さなプセ)の制作が本格的に始まる。まずは編集ヴィデオを見ながら曲を入れるタイミングをはかる作業。フランスでは監督との打ち合わせが十分に出来なかったとの事で、不確定な要素が多い状況。しかも!フランスではいまだに編集作業を続けているとの情報が入り、タイミングをはかるどころではない。「はっきりした尺が出ているわけでもないし、しかも編集が終わってないからな・・・まいったな~」と頭を悩ます久石さん。フランス側と電話会談をすることが急遽決定する。
11月20日(月)
フランス側との電話会談。本来ならば直接会ってヴィデオを見ながら打ち合わせすべきことなのだが、残念な事にその時間がない!通訳を介しながら、プリプロ進行の方法や曲を入れるタイミングなどを打ち合わせする。完成した編集ヴィデオが送られてくるまで、とりあえずはメインテーマのプリプロを行うことで合意。
11月21日(火)
メインテーマのプリプロ。尺を延ばし、弦のサウンドを足す。昨晩は、フランス側から送られてきた編集ヴィデオと資料ヴィデオを再度チェックしていたとのこと。監督とのコミュニケーションが簡単にとれるわけではないので、相手の考えを少しでも汲み取るための地道な努力である。
11月22日(水)
現在あるヴィデオをもとに、ミュージックチャートを作成しながら曲の挿入部分を決定していく。最終編集ヴィデオが送られてくるのを待っているとプリプロの時間が割かれていくため、危険を覚悟で作業を進めることを決定。明日から本格的なプリプロ作業に入る。
11月24日(金)
フランス映画「Le Petit Poucet」のプリプロがついにスタート。約20日間のスタジオ作業で30曲を作曲するというハードなスケジュール。制作に必要な諸条件が揃わないという厳しい状況だが、久石さんの作曲意欲は旺盛そのもの。今日は劇中で最も緊迫するシーンに曲をつける。カウベルのリズミックなサウンドに弦と金管のメロディが加えられ、5分以上あるシーンを一気に見せてくれる。
11月25日(土)
主人公の男の子が森の中で不思議な少女に出会うシーン。「キレイな響きの鐘の音がイメージなんだけど、いいのあるかな?」という久石さんのリクエストに、サンプリングCDの山を掻き分けるスタッフ。これにハープとピアノが加わって、幻想的で美しいメロディが完成する。
11月27日(月)
人気バラエティ番組「たけしの誰でもピカソ」に出演することになった久石さん。ぜひ生演奏を!というリクエストに答えて「BROTHER」のメインテーマをリアレンジすることになる。この日はフランス映画の作業はお休みし、一気にスコア書きモードに突入。「なんだかメチャクチャな生活やな~」とボヤく。
11月28日(火)
再びフランス映画のプリプロ。今日は主人公が森の中を追われるシーン。躍動感を持たせるためパーカッションを多用することになったのだが、エスニック系のリズムを使うと・・・「森っていうかジャングルを連想させるよな。なんか温度の低いリズムってないのかい?」と久石さん。サンプリングからいろいろチョイスはしてみたもののなかなかイメージする音に辿り着けず、後日生楽器でレコーディングすることとなった。
11月29日(水)
昨日の作業の続き。一晩考えた結果「曲がヒロイックになり過ぎている」と久石さんは感じたらしい。「主人公は追われているという受け身の立場。それを考えるとこのメロディはチョット・・・。こんな時、監督が近くにいてOK!の一言がもらえると助かるんだけどな~」と悩む。
11月30日(木)
フランス側より最終編集の完了したヴィデオが届く。これでフレーム単位までタイムコードを合わせながらの作曲が可能となるのだが・・・よ~く見てみると結構編集されていて、以前のタイムコードとの誤差が激しいではないか!しかも曲をつけるはずのシーン途中でヴィデオのリールが変わっていたり、何かと問題が続出。久石さん以下スタッフ全員がブチきれる。