文档:久石让官网日志/1999年4月

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 1999年3月 1999年4月 1999年5月
1999/4:Apr
1999年4月
4月1日(木)
今日はエープリルフール!!ですが「ラピュタ」制作班には全く関係ありません。締め切りが迫っているせいでしょうか?冗談を言い合うこともなく、黙々と作業に没頭していきます。今日はロボットが兵隊達を襲い始めるシーンから。今回は以前使った曲にアレンジを加えた上で、低音域を重視したリズム系のサウンドを強調してみました。実はこの手法、現在のハリウッドで最先端をいくものだとか・・・!?
4月2日(金)
最後の山場!パズーとシータが禁断の呪文を唱えることにより、ラピュタが崩壊していくシーンです。オリジナルでは児童合唱団がアカペラでテーマを歌いましたが、今回はオーケストラがバックにつくことで荘厳な雰囲気をかもし出し、まるでレクイエムのような仕上がりになりました。あの憎々しいはずのムスカがどこか悲劇的に見えてしまうのは、音楽の持っている「魔法」のせいなのかもしれません。この後、パズーとシータがドーラ達と再会するシーンにも曲を付け、1ヶ月以上に及んだアメリカ版「ラピュタ」の制作を一応終了しました。やや疲れ気味の久石さんでしたが、今回のアメリカ版「ラピュタ」の制作にはかなり満足している様子でしたよ。
4月2日
最后的高潮!Pazu和Sheeta说出禁咒,天空之城崩溃的场景。在原版中,儿童唱诗班的演唱主题曲,而无配乐。现在增加了管弦乐声音。也许这就是音乐的魔力,Muska这个令人厌烦的角色,现在看上去也有点悲剧的感觉。在这之后,我们添加片段到Pazu和Sheeta再次遇到Dola Clan的这个场景。到现在为止,我们已经完成了美国版《天空之城》配乐的制作。这花了一个多月的时间。久石让先生有点累了,但看上去他对于美国版《天空之城》的制作相当满意。
4月3日(土)
完成したアメリカ版「ラピュタ」を再度見なおす作業。音を追加したり、タイムを伸ばしたりするのが中心となりますが、少し時間がたつとより客観的に見れるので、これは重要な工程になります。納得いくまではOKをださない、という久石さんの物創りに対する姿勢がここでも垣間見ることができましたね。そして今日、若干の手直しを経てアメリカ版「ラピュタ」がついに完成しました。久石さん、本当にお疲れ様でした!ゆっくりお休みになって・・・と言いたいところですが、55曲分のスコア書きと本場シアトルでのオーケストラレコーデイングが今後控えているのです!!久石さんもスタッフも当分休みなしのハ-ドスケジュールが続きそうです。
4月3日
复查美国版《天空之城》还没有完成的部分。基本上,我们增添了声音或延长了时间。这是一个重要的步骤,因为我们不一会儿便可以更客观地评价(音乐)。我们可以看出久石让先生对创造的态度,他不确认是不可以说OK的。今天,经过一些更改,美国版《天空之城》最终得以完成。很大的工作,久石让先生!请好好休息吧!我希望我可以这么说。事实上,我们还要为这55个音乐片段写乐谱,以便在西雅图进行管弦乐的录制。无论是久石让先生还是他的员工们似乎都不能够有丝毫的休息了。
4月4日(日)
アメリカ版「ラピュタ」の制作が終了したと思いきや、次は篠原哲雄監督の「はつ恋」という作品が待っていました。出演者も真田広之、田中麗奈、原田美枝子といったビッグスター揃い!詳しいことは今後お伝えしていきますので、皆さん楽しみにしていて下さい。とりあえず今日のところは、哀愁感の漂うピアノソロを1曲仕上げて終了しました。
4月5日(月)
アメリカ版「ラピュタ」のオーケストラレコーデイングについて、社内でスケジュール調整をします。今回のレコーデイングはアメリカのシアトルが選ばれ、オーケストラもデイズニーの映画音楽には定評のある、地元のシアトル・シンフォニーです。本場の音でアメリカ版「ラピュタ」を創りたい!というのが今回の久石さんのこだわり。一応5月上旬を予定しているのですが、久石さんもスタッフも今から楽しみにしています。ファンの皆さん、シアトルについて何か知っていることがあれば(おいしいレストランなど)ぜひ教えてくださいね!!
4月5日
我们调整了《天空之城》管弦乐录制的日程安排。此次录制,选择在西雅图(美国城市)。演奏将由演奏迪士尼电影音乐而富有盛名的西雅图交响乐团完成。久石让先生希望创造的美国版《天空之城》拥有真正的美国之音。目前,我们正计划在五月初前往西雅图。久石让先生和员工们对此都迫不及待。影迷们,如果你知道西雅图(如美味的餐馆),请告诉我们哦!
4月6日(火)
自宅にて何やらお仕事を。たまには体を休めていただきたいのですが・・・
4月7日(水)
夕方より社内で打ち合せ。シアトルでのレコーデイングスケジュールを再度チェックします。何せアメリカ版「ラピュタ」の曲数は全部で55曲!!限られた時間でレコーデイングするには緻密なタイムテーブルを用意しておかなくてはなりません。1日のセッション数からオーケストラの楽器編成まで、久石さんの意見やアドバイスを聞きながらスタッフも必死!!イタリアの時みたいな事件が起きずに、なんとか無事にレコーデイングを終えられればいいのですが・・・
4月7日
办公室会议。我们重新检查了西雅图的录制日程安排。美国版《天空之城》有55个音乐片段!在有限的时间完成录制,我们需要精细的时间表。从每天会议的数量到需要运用哪些乐器 ,员工在久石让先生的意见和建议下疯狂地工作。我希望我们可以顺利的完成录制工作,不要发生我们以前在意大利时那样的事件。[注:我们不清楚“意大利的事情”指的是什么。]
4月8日(木)
雑誌取材を3本ほど。あの「リング」の作者である鈴木光司さんとの対談もあり、これはファン必見です!詳しくはインフォメーションのコーナーを見てくださいね。
4月9日(金)
今日は「ラピュタ」に挿入されているピアノの部分をレコーデイングします。ピアノソロはもちろん久石さんです。現在では、全ての楽器の音をコンピューターから呼び起こすことができますが、久石さん曰く「生きている音を求めるのならば生の楽器の音が一番!!」とのこと。これが実際に比べてみると本当に生の音の方がイイんですよね。今日のレコーデイングは3時間ほどで終了。さあ、明日からは地獄のスコア書き(55曲分)です!!
4月9日
今天,我们录制了《天空之城》钢琴部分。当然,钢琴独奏由久石让先生完成。这些天我们从计算机中获取任何乐器声音,但久石让先生告诉说“如果你想要声音有生命,那么乐器的现场声音就是最好的了。”的确,当你比较他们时,现场声音更好些。三小时后我们完成了录制工作 。现在我们要开始写乐谱这炼狱般的工作了(55段!)。
4月10日(土)
今日から地獄の譜面書きがスタートです。曲数から考えて今回もぎりぎりのスケジュールになる予感がします。かなりキツイ作業になりそうです。
4月10日
从今天起,我们开始了写乐谱这样炼狱般的工作。考虑到片段的数量,日程似乎很紧。这将会是辛苦的工作。
3月16日(火)
今日は炭鉱街の親方と海賊が腕比べをするシーン。これがすごく楽しい曲に仕上がり、映像と合わせて見ると大笑いしてしまうのです。エンジニアやスタッフも笑いをこらえて作業する、といった前例のない出来事。「良い音楽と良い映像は繰り返し聴いても見ても飽きることはない」ということをあらためて実感した1日でした。
4月11日(日)
久しぶりのOFF。スポーツジムで汗を流したり、大好きな映画を見たり・・・でも何やら仕事もしているらしいのです。
4月12日(月)
ひたすらスコア書きの1日。今日は海賊達と炭鉱町の親方が腕比べをするシーンの曲にとりかかったのですが、曲に厚みが出た分だけ楽器編成も増えたので、書く譜面の量はとにかくスゴイのです。休みもとらず、食事もとらず、久石さんは部屋から一歩も出ずにひたすら、ただひたすら書き続けています。
4月12日
整天用来写谱。今天,他进展到了海盗和矿工老板进行争夺的场景的片段音乐。由于片段音乐更加厚实,将运用更多的乐器。因此,要写得音乐表的数量真是巨大。没有休息片刻或进餐,久石让先生便投入到工作中而且没有踏出房间半步。
4月13日(火)
ハードなスコア書きは一時お休みして、今日は取材の1日です。とは言っても都内を分刻みで移動するというスケジュールなので、相変わらずハードな生活なのですが・・・東京・日経・読売新聞の取材内容は、「人体?」の制作に始まり音楽に対する想いや、今後の活動予定などについて。久石さんの一番新しい素顔を知りたい方は必見ですぞ!掲載日などについてはインフォメーションをご覧下さい。
4月14日(水)
都内は強風に煽られた昨日でしたが、今日は快晴も快晴、もう暑いくらいです。「どこかに遊びに行きたいなぁ」と誰もが思っているこの季節、もちろん久石さんも同感です。が・・・アメリカ版「ラピュタ」のレコーデイングは刻々と迫り、スコア書きも白熱しています。昼間から夜中までほとんど休まずにひたすら書きまくっていますが、フルオーケストラ55曲分というのはスゴイ量ですね。当分はこんな生活が続きそうです。
4月14日
昨天东京起了大风,但今天,天气很好,而且有点热。每个人都渴望出去走走,当然,久石让先生也有同感。但美国版《天空之城》的录制工作也越来越近了,而且写谱的工作也正在进行。从白天到夜晚,他都在写,没有丝毫休息。为管弦演奏的55段的确是个巨大的数字。不一会儿,我们就度过了一天。
4月15日(木)
スコア書き。今日はパズーとシータをドーラ達が追いかけるシーンです。今回のアメリカ版「ラピュタ」の中ではフルオーケストラ編成で最も音の厚い曲の1つなので、スコアにしていく作業は並大抵では在りません。シーンを見直しながらの楽器と音域の配分調整や、ピアノを使った構成和音のチェックなど、楽譜に音符を書き込む以外の作業も同時に行わなくてはならないのです。昼過ぎに始めて気が付けば外は真っ暗。久石さんは休みも取らずに、ただ黙々と書き続けています。
4月15日
写乐谱。今天,我们制作了Dola和她的人追捕Pazu和Sheeta的场景。在所有美国版《天空之城》的片段中,这段音乐是最厚实的之一,有所有的管弦乐。因此,写这段乐谱有大量的工作要做。同时,在标记音乐表时,我们还得边复查场景边调整乐器和名单。我们从中午时候开始工作的,当我们意识到时,外面已经天黑了。久石让先生仍然写谱没有休息。
4月16日(金)
最近ハードな生活が続いているので風邪をひいてしまったのか、ノドが少しいがらっぽいという久石さん。しかし休みもせずにスコア書きに集中しています。完成したスコアは写譜屋さんの手で各パート譜にされ、その後スタッフによってオーケストラ用とマスター用(いざという時の為の控え)に分けられるのですが、これだけの曲(しかも55曲分)をコピーするだけでスタッフはてんてこ舞いになってしまいます。
4月16日
久石让先生说他的喉咙有些疼。也许因为最近如此努力工作,他着凉了。但他仍然集中精力写乐谱,没有休息。完成的乐谱用照相排版机为每一部分成册,然后因管弦乐由员工分开整理并大量拷贝(以备紧急需要)。但只是这样的拷贝工作(会有55个片段)已经让员工们非常忙碌了。
4月17日(土)
ひき続きスコア書きです。とにかくひたすら机に向かって書き続けているので、腕も肩もこってしまっている久石さん。途中1時間ばかりマッサージに行きましたが、あまりの肩こりにマッサージの先生も驚いていました。今日は3曲ほど仕上げて終了。明日は自宅で静養するそうです。
4月17日
继续写乐谱。由于久石让先生一直在写,他的手臂和肩膀现在已经酸痛了。他去做了一小时左右的按摩,但就连按摩师也都惊讶他的肩膀上的有多严重。今天他完成了三个片段。明天,他可以休息一下。
4月18日(日)
OFF。
4月19日(月)
今日はレコーデイングが2本ほど。タイガーモス号が夜空を飛行しているオープニングシーンに、今回はケーナという南米の縦笛を使ってみました。
4月19日
今天,我们录制了两个片段。对于开场,“虎蛾”飞过黑夜天空,我们用了“Kena”(或“Quena”),一种南美管乐器。
4月20日(火)
スコア書き再開です。あまりに曲数が多いため(全55曲)、終わりはまだ遥かかなたで、まだまだ見えそうにありません。
4月20日
又开始写乐谱。看到许多的片段(55个),我们似乎看不到何时才能完成。
4月21日(水)
今日もスコア書き。1度ベーシックをマッキントッシュに打ちこんではいるものの、スコアにして書くとまた違った形で上がってきます。久石さん曰く、頭で鳴ってしまっているので変えざるえないとのこと。時間がかかるわけです。
4月21日
还是写乐谱。尽管基本的已经放入到电脑中,但当转换为乐谱时,还是有些不同。久石让先生说他要修改它们使之如同他头脑中演奏的一样。当然,这需要时间。
4月22日(木)
さらにスコア書き。一体いつ終わるのでしょうか。予定では、27日の予定になっております。しかし予定は未定。
4月22日
还是写乐谱。何时才会结束?按照计划,应该是在27号了,但计划只是计划。
4月23日(金)
まだまだスコア書き。久石さんは1曲書き終わるごとにM表のMナンバーをピンクのマジックで塗りつぶして行きます。すこしピンクが目立ってきた感じです。
4月23日
还是写乐谱。当他完成一个片段时,他用粉色记号笔在M表格中的计下片段编号。似乎我们还刚看到一些粉色。
4月24日(土)
スコア書き。今回用におろした鉛筆達もだいぶ短くなってきました。
4月24日
写乐谱。为此项目准备的新铅笔现在短了许多。
4月25日(日)
久石さん今日はひとまずスコア書きは休み。さすがにぶっとうしは体によくありません。でも家に居たら居たでなにかしらやっていることでしょう。スタッフも写譜屋さんから上がってきたパート譜のチェックや、マルチテープの整理などに追われています。
4月25日
久石让先生今天在写谱的时候休息了一下。如果他再继续下去对他的健康是很不利的。但我肯定他在家将做更多的工作 。员工们都忙于检查每个部分的音乐表,或者整理好多个录音带。
4月26日(月)
そしてスコア書き。ここまで来るとだいぶ見えてきました。今日終わった時点で残り2曲!!もうひとふんばりです。
4月26日
写乐谱。现在我们看到终点了,我们还剩下大概两个片段了。
4月27日(火)
久石さんまず会社に来てから2曲をあげてしまいました。これでスコア書き終了。本当にお疲れさまでした。今回はあまりに曲数が多いため、三宅一徳さんと長生淳さんにも何曲か手伝っていただきまして、なんとか終えることができました。本当にありがとうございました。しかしさらに今日はリュートという中世のギターのような楽器のレコーディングもありました。まさかあの曲にこの楽器がダビングされるとは!?でもとってもいい感じにあがりました。
4月27日
当他走进办公室后不久,久石让先生便完成两个片段。这是最后的写谱工作。伟大的工作,久石让先生!有太多的片段了,Ittoku Miyake先生和Atsushi Nagao先生也在一些片段给予了我们帮助。非常感谢您们。此外,今天我们还录制了琵琶的声音,一种中世纪的吉他。我不记得有多少段音乐使用过这种乐器,但它听起来妙极了。
4月28日(水)
いよいよ明日アメリカへ発つということで最終準備におおわらわ。今回はアメリカ、シアトルオーケストラでレコーディングされます。譜面の量は半端じゃありません。これだけの量をスタッフ3人で運べるのかどうか不安がよぎります。さらにぎりぎりで最後のパート譜も上がってきてそのチェックも同時進行です。間違いなく今日も徹夜です。夜中の3時に久石さんから超高級焼肉弁当の差し入れあり。これがほんとにうまかった。ご馳走さまでした。
4月28日
由于明天他将离开去美国,我们都在为最后的准备忙碌。录制工作将由西雅图交响乐团完成。音乐表上的数量还是巨大。我担心仅靠三个员工是否能够拿得下这么多的数量。而且为每个部分打印的所有表格只在最后才出来,因此我们还得在同一时间检查它们。毫无疑问,今天我们得通宵工作了。在夜晚三点的时候,久石让先生给我们带来了价格不菲的盒装牛排大餐。真是棒极了。谢谢!
4月29日(木)
結局譜面チェックが終わったのは朝の6時半。荷物の梱包はだいたいすんでいたのですが、後は昼に来てからということで一時退散です。そして昼に来てみるとなんとか荷物もまとまっていました。これなら運べそうです。そして成田へ。ここでトラブル発生!荷物が重量オーバーだというのです。1つの荷物の許される最大の重量は32kgということなのですが、その荷物(マルチテープと譜面がまとまったもの)はなんと57kgもあったのです。なんとか荷物を散らしてその場を切り抜けました。そして3時55分の飛行機にてアメリカ、シアトルへ出発です。久石さんもあまり寝ていないにもかかわらず元気そうでした。日本残留組の私達は上手くレコーディングが進むことを祈るばかりです。
4月29日
这之后,我们在早上6:30完成了检查表格的工作。我们基本上完成了打包工作,但我们决定下午在完成剩下的工作,于是解散了。当我们下午回来时,竟然已经打包好了。似乎我们只需要带上他们就好了。然后我们去了Narita(机场)。问题来了!行李过重。他们说一个行李只能重32公斤,而我们的行李(音乐表格和多个录音带)却重57公斤。所以,我们决定将超出部分的物品装入其它行李袋重。然后乘坐3:55的航班,他们去了西雅图。久石让先生看上去很好,尽管他没怎么睡觉。我们,留在日本的,祝福录制工作顺利。
4月30日(金)~5月9日(土)
シアトルでレコーデイングとTD。後日シアトル日記を発表しますのでお楽しみに!!
4月30日- 5月9日
录制和在西雅图的追迹(“TD”意思是音色分轨)。我们以后会公开西雅图日记,因此请拭目以待哦!