文档:久石让官网日志/2001年2月

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 2001年1月 2001年2月 2001年3月
2001/2:FEB
2001年2月
2月1日(木)
昨日お渡しした今までの成果、果たして宮崎監督はどう思っていらっしゃるのか?非常に気になるところである。スタジオで作業を行いつつも、やはり気が気ではない様子。監督が曲を聴いた感想をすぐに生かせるようにと、電話を近くに置いてスタジオ作業を行う。夕方、ついに待ちに待った電話が鳴る。昨日お渡ししたテープを監督は何度も聴き返しているとのことで、明日電話での打ち合わせを行うことが決定。
2月2日(金)
宮崎監督との電話打ち合わせ。以前頂いていたキーワードの言葉だが、そのまま歌詞に使うのが難しいということで、監督自ら作詞して下さることになる。インスト系の曲に関しても基本的には問題無いとのことで、まずは安堵のため息をつく久石さん。
2月3日(土)
昨日までのスタジオワークから一転して、今日は終日未来博の打ち合わせ。映画「カルテット」の時は必要としなかった絵コンテだが、実写とCGを織り交ぜて創る今回の作品に関してはそうも言ってられないようだ。絵コンテ書き専門のスタッフが久石さんの言葉を次々へと絵に起こしていき、何十ページにも及ぶ絵コンテがついに完成する。
2月7日(水)
イメージアルバムの生音レコーディングがいよいよ始まる。今日のプログラムは久石さんが最も気に入っているという、チェロとヴァイオリンのインスト。今回のアルバムは個性の強い曲が多いため、この曲はアルバム内でも希有な存在と位置付けられそうだ。ヴァイオリンには「菊次郎の夏」以来となる鈴木理恵子さん、チェロにはツアーでも御一緒させて頂いている某氏といった、なんとも豪華な顔ぶれである。皆さんお忙しいスケジュールの合間をぬっての御参加。仕事といった枠組みを越え、「いい音楽を創る」という純粋な想いでの結集に、自然とレコーディングは盛り上がる。
2月9日(金)
今日はヴォーカル曲のレコーディング。今回のアルバム内で最もカラフルでエキゾチックな曲に、なんと純邦楽の唄い手さんが参加。しかも某家元出身というから、スタッフもどんなサウンドに仕上がるか皆目見当がつかない。邦楽では楽譜を用いないため前もって曲のメロディを暗記して頂き、現場で「こんな感じで・・・」などと指示を出すことになった。レコーディングも生まれて初めてという唄い手さん、どうなることやら・・・と心配するスタッフをよそに、朗々とメロディを唄い上げる。連日のハードな作業で沈んだ雰囲気のスタッフであったが、その美声と独特の言いまわし、曲との摩訶不思議なマッチングに、スタジオ内は騒然とした活気に包まれる。
2月10日(土)
久石さんのピアノレコーディング。当初は「シンセのピアノでも充分対応出来るよ」と言っていたが、曲が少しづつ完成に近づくと自らの演奏によってまるで生命を吹き込むかのように、自然とピアノの前に座ってしまう。「やっぱり生音に優るものはないよね」と、久しぶりのピアノにやや苦労しながらも嬉しそうな笑顔を垣間見せる。
レコーディングが終了すると休む間もなくオフィスに駆け上がり、未来博の打ち合わせに臨む。完成したばかりの絵コンテを見ながら、CGや特殊効果のスタッフらとあらゆる問題点を話合う。この日はスタジオとオフィスを行ったり来たりの一日となった。
2月12日(月)
2ヵ所のスタジオを同時進行させながら、完成した曲のTDとヴォーカル曲の仮レコーディングを行う。最近の無理がたたって風邪気味の久石さん。顔には疲労の色が濃いが、いざ歌手の声を聴くといつも通り真剣な顔つきでディレクションをこなす。現在のところまだ歌詞が完成していないので、とりあえず「ラ・ラ・ラ・・・」とスキャットで唄って頂く。歌手の声質と曲の雰囲気が合うかどうかが一番の懸念事項であったが、レコーディング終了後の久石さんは「うん、いける!」と太鼓判。今日の仮レコーディングを宮崎監督に聴いて頂き、最終的な決定を出して頂くこととなる。
2月13日(火)
終日未来博の打ち合わせに追われる。今日はキャスティングがメイン。出演者には何人もの候補が上がっているものの、なかなかこれぞという方にめぐり会えない。プロフィール表や資料ヴィデオを見つつ、久石さんのイメージに合った方を選考していく作業が延々と続く。
2月19日(月)
宮崎監督との音楽打ち合わせ。5冊にも及ぶ分厚い絵コンテを見ながら、音楽の挿入箇所を決めていく。「Castelin the Sky(アメリカ版ラピュ)を見てたら結構音楽が入っててもいいかなって思ったんですよね」との監督のコメントに「そうですね、あれで結構吹っ切れたところがありますよね」と久石さんも納得の様子。つまり・・・今回は結構曲数が多いのかも?監督の機知に飛んだお話しで脱線しつつも、曲決めの打ち合わせは順調に進む。ようやくラストシーンまで行きついた時には、なんと6時間が経過!楽曲総数も37曲と「もののけ姫」とほぼ同じボリュームになる。
2月21日(水)
イメージアルバムのヴォーカルレコーディング。さみしさを唄った曲なのだが曲風は明るいもので、歌手にはかなりの個性が必要とされるところ。歌手決めの段階ではかなり苦慮したのだが、久石さんの頭の中には最初から某氏の名があったとか。「いなたい雰囲気を出すには彼しかいないでしょ!」と自ら連絡をとりレコーディング参加をお願いする。忙しいスケジュールの合間を縫って参加して下さった某氏、久石さんとのジョイントは3年振りということもあって、まずは再会を祝す。早々に「ボクはあまり曲を覚えないタイプなんですが、なぜだかこの曲はスッと頭に入り込んでしまって・・・いや、こういうのをイイ曲っていうんですね」とお褒めのお言葉を頂き、久石さんも照れ笑いである。レコーディングのほうは順調に進み、久石さんのイメージにピッタリ合っていたようだ。本番に強い某氏、わずか1時間半でレコーディングを終わらせてしまう。「いや~さすがだよね。彼は今でもライブ活動で忙しくしているから、なんと言っても声が安定しているんだよ。第一線で活躍している人はスゴイよな!」とニコニコ顔で語る。
2月22日(木)
再び純邦楽の唄い手さんに登場して頂く。宮崎監督はじめ久石さんも大いに彼の唄声に魅了され、前回レコーディングした曲に「語り」風のフレーズを付け加えることになったのだ。この日も事前の打ち合わせはなく完全にぶっつけ本番だったが、久石さんのイメージをそのまま唄声にして下さり、短時間で無事に終了する。その次は女性ヴォーカリストのレコーディング。当初は歌詞ありのヴォーカル曲というコンセプトだったのだが、歌手の透明感のある声質からスキャットでいくことになった。順調にレコーディングは開始されたが、歌手のテンションとディレクションの息がなかなかうまく合わず、思うような歌声をレコーディング出来ない。「これ以上、何時間もレコーディングしても危険だよ。しまいには歌手の声を潰しかねない。」という久石さんの冷静な判断で再び明日行うこととなった。
2月23日(金)
昨日うまくかみ合わなかったレコーディング。今日はなんとか成功させたいところである。昨日は長時間唄って頂いたため、喉を痛めていないか、声はかすれていないかなどと歌手のコンディションに気を使う久石さん。以前は久石さんもヴォーカリストとしてアルバムを出していたわけだから、唄い手の気持ちは一番理解出来る。「2時間。これが今日のタイムリミットだね。」と前もって宣言していただけになんともスピーディーなレコーディングとなったが、この戦法が功を奏し、細かい事にとらわれ過ぎない、ありのままの歌声をレコーディングすることに成功。
2月26日(月)
イメージアルバムのヴォーカルレコーディング。今日参加して頂くのは、久石さんともいくつかステージを共にしている歌手の○○○○さん。南洋独特の唄いまわしと透明感のある歌声には定評がある。宮崎監督自ら書き上げた歌詞もレコーディング前には無事に届き、まずは歌詞の読み込みからスタート。「意味の深い言葉がいくつもあるから、唄う時はニュアンスに注意して」とアドヴァイスをしながらレコーディングに入り、自らディレクションをしながら現場を仕切っていく。歌手のコンディションを瞬時に見抜く久石さん、歌手の本来の持ち味を見事に引き出し、監督が詞に託した世界観を見事に表現することに成功する。
2月28日(水)
イメージアルバム最後のレコーディング。「さっき寝たと思ったらもう仕事だよ・・」という疲れきった、それでいてどこか負けん気のある唄である。初めてこの歌詞を見た時、「アッ、これ宮崎監督の気持ちそのまんまじゃない?」と言っていた久石さん。どこか気だるそうな雰囲気を出しつつも力強いリズムで監督の想い(?)を見事に表現している。「この曲を唄える人は○○さんしかいないでしょ!」という発言に、スタジオジブリのスタッフも「エッ!?」と唖然の表情。誰もが考えもしないアイデアを次々と出す久石さんには、一同脱帽である。さて、○○さんのレコーディングは・・・というとこれが早いのなんのって!なんと45分ほどでパーフェクトな仕上がり。その力強い歌声にはえもいわれぬ味があり、聴く側に強い印象を与える。エンジニアが録り終えたばかりの曲をTDしている間、久石さんは未来博のオーディションや打ち合わせに忙殺される。映像の撮影は来月の半ばからなので、こちらもハードなスケジュールになりそうだ。実は久石さん、明日から未来博の映像制作のため鹿児島県の屋久島までロケハンへ出発することになっている。「今日はTDを終えたらマスタリングまでやりたいんだけど・・・徹夜でロケハンはキツイよな~」とため息。「千と千尋の神隠し」イメージアルバムを完成させ、3月からは気分を変えて新しい制作に入りたいところだが、始発電車が走り始める頃、ロケハンからスタジオに直帰してマスタリングを行うことが決定される。いつまでも、なかなか休みのとれない久石さんである。
<ホームページを御覧の皆様へ>
当ホームページを御覧の皆様、いつもありがとうございます。突然ではありますが、今月の28日をもちまして当ダイアリーの改訂をさせて頂くこととなりましたので、この場をお借りして御報告させて頂きます。当ダイアリーは久石さんの仕事ぶりなどを御紹介するコーナーとして、専属のスタッフが見聞きしたことを書き記してきました。しかし、度重なる更新の遅れや内容の固定化などいくつかの問題が生じ、当事務所内でも企画自体の見直しの声が上がっておりました。以前より「生きた情報をあらゆる角度から提供したい」との考えを持っていた久石さん本人の意向もあり、まずは今日までのダイアリーのスタイルを廃止して、3月1日より、形式にこだわらない新たなダイアリーをアップさせて頂きます。一番の特徴は、我らがワンダーグループのスタッフ(制作担当からはじまり、デスク、エンジニア、アシスタントなど)全員が自由自在に、まるでBBSのように書き込めるといった点でしょう。時には久石さんだって、自らの1日を記すこともあるはずです。3月1日の記念すべき初日は・・・そうです。ロケハンの屋久島からの実況生中継!といきたいところなのですが・・・どうやら宿泊先ではネット通信が不可能とのこと。というわけで、初日から留守番組のスタッフが何やら書き込んでくれる事でしょう。これからも日々向上を続け、皆様に楽しんで頂けるホームページを作っていきたいと思います。皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。