文档:吉卜力日誌/2007年5月

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2007年05月
2007年05月
5月1日(火)
北日本放送の金泉さんが来社する。北日本放送さんといえば、ここ数年にわたりデジタル放送告知のスポットCM(ご存知ない方はDVD「ショート・ショート」の中に収録されていますので、ぜひご覧ください)の制作でお世話になっているのだが、その中に出てくるキャラクター、“エチュー”のぬいぐるみが発売になるということで、その試作品を持ってきてくれたのだ。そのキャラクターの生みの親、橋本晋治さんも同席したのだが、その出来栄えには、思わず笑みが。今回は試作品なのできちんとした写真を載せることが出来ないのだが、見ても触ってもかわいいぬいぐるみ。さらに、このスポットCMで展開されてる“ゆっちゅとめっぴとエチューの物語”は絵本になり発売になります。内容はすべて橋本晋治さんの書き下ろしの絵本です。詳細は後日になりますが(出版部から告知があるのかなぁ)、ぜひ楽しみにしていて下さい。とてもかわいい作品ですので。
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「試作品なので後姿のみでご勘弁」   ゴールデンウィークの谷間の出勤日ということで、取引先からの電話も少なく、なんとなーく平和な3スタ2階。と、そんな中、かかってくるのはなぜか「トトロは死神なんですか?」という一般の方からの問い合わせばかり。みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたいなんです。「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。みなさん、噂を信じないで欲しいです。 ...とこの場を借りて、広報部より正式に申し上げたいと思います。
5月2日(水)
平日とはいえゴールデンウィークの谷間。第一スタジオも何となくのどかな雰囲気が漂っている。社内でも明日から遊びにいく人もいれば、休日返上で仕事に打ち込む人と様々。こんな状態も今年だけで来年の今頃は全員青ざめながら作品完成に向けて働いているんだろうな、と思いを馳せる制作一同です。それにしても、もう少し明るく未来を見つめられないものだろうか・・・。
 
トントントンと階段を駆け上がってくる海外事業部の武田さん。「えらいじゃん。全員いるなんて。暇人ばっか」と広報部に向かって、いつもストレートな物言い。そういえば、広報部は5人全員出社しており、確かに、長期休暇を満喫するスタッフもいない様子。広報部はジブリ美術館の窓口でもあるし、次の企画展の内覧会の準備や、日テレの特番の準備など、目前の締め切りに追われているので、毎年こんなことに。そういえば、階下の出版部のスタッフも全員出社しており、こちらも仕事をかかえている様子。空席も目立つのんびりした空気漂うスタジオの中でこの2部署ばかりは何やら忙しそうだった。ご苦労様です。
 
そうそう、忘れてはいけません。休日返上で出社しているあの部署を。休日を狙ってシステムのメンテナンスや更新作業に取り組むシステム管理部の3人だ。いつもいつも、あなたたちの頑張りでコンピュータが安心して使えているのです。まだまだ作業は続くようですが、本当にお疲れ様です。
 
 
5月3~5日
スタジオもゴールデンウィークに入り各部署連休中とはいえ、ここにも毎日明かりが点いている一角が。それは、勿論「ポニョ」のメインスタッフの席。スタッフが連休中の間に少しでも上がりのチェックを進める為、休日返上で作業に取り組んでするのだ。劇場作品の制作に入ると毎回恒例の事とはいえ、本当に頭が下がります。暖かいコーヒーとお菓子を差し入れしながら、メインスタッフを見守る制作部一同なのです。
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「左から動画検査 舘野さん 作画監督 近藤さん 美術監督 吉田さんです。お疲れ様です」
5月7日(月)
今週のジブリ日誌は、サンキチよりお送りいたします。
 
今日は、とても蒸し暑くなりました。半袖で作業をしているスタッフもチラホラみかけるほどです。何しろ、スタッフの机に設置されてあるZライトは案外熱いのです。白熱電球を使用しているからでしょうか。このライトを毎日浴びて作業しているスタッフの皆さん、用紙などが飛ばない程度に窓を開けたり、季節はずれ?の扇風機を回したりしながら今日も頑張っています。
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「机の上から見守るように働く扇風機くん。」
5月8日(火)
本日、作監の棚がゼロになってしまいました!!
まるで、高度成長期の日本のように勢いは止まらず、カットは作監棚に置かれる間もなく、すぐに動画さんの手元へ行き渡ってしまう状況が続いています。動画が順調に流れているのは動画担当としては大変嬉しいことですが、それは、同時に動画に入れるカットがなくなってしまうということでもあるのです。ピンチです。けれど凄いことです。だから複雑です。。。今週から、作監補に高坂さんが合流してくださいました!作監棚がお腹いっぱい??になっては困りますが、腹八分目?いや四分目くらいのスマートさを保って采配していけたらいいなぁ。。と思います。
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「ひょえぇぇぇ!!」
5月9日(水)
<ジブリに入って、感じたこと その1>
ジブリに入って感じたこと。それは細かい心遣いが随所に溢れているということです。その一つは、女子トイレに見られます。女子トイレには、いくつもの花瓶があり、綺麗な花がセンス良く飾られています。植物が大好きなスタッフがこのように飾りつけをしてくれるのです。きっと、私だけでなく、沢山の方が気持ちよくトイレを利用されているにちがいありません!!!
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「1スタ1階のトイレは華やかです。」   そして、1スタ2階のトイレには「雪もち草」という植物が飾ってあります。ディズニーランドのパレードに出てくるファンタジックで踊り出しそうな植物です!
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「お陰さまで癒されております。」   <今週の広報から1> この日は、待ちに待ったカルロスのコンサート“カルロス・ヌニェス『ゲド戦記』を奏でる”がNHKホールで開催される。本当に、カルロスはすごかった。そして格好良かった。 まずは、リハーサルの様子をご覧下さい。
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「カルロス、かっこいぃぃぃぃぃ」   さて、この日は、鈴木さんの密着取材が入っていて、本番前には鈴木さんとカルロスもご覧のように2ショットで出演。本当に中の良い様子をアピールしていた。
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「この日の模様は6月4日の“ゲツヨル”で」   コンサートは広いNHKホールを総立ちにして盛り上がり、最後にはご覧のようにみんなでバンザイを。これも、カルロスの陽気で人懐っこい人柄がなせるワザだった。鈴木プロデューサーだけでなく吾朗監督やポスプロ担当のツッシーまでもがステージに上げられ全員満面の笑みの夜だった。
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「ご覧のようにスタッフまでもがステージに引っ張り出されるハプニングも...」
5月10日(木)
本日ベル部の練習日。メトロノームを持ち出して、リズムを掴む練習です。初めは、かなりスローテンポで練習していたのですが、意外とゆっくり演奏するのはとても難しいようで・・・。倍のテンポの速さにメトロノームを合わせてみました!すると・・・なんとも不思議!スラスラ?弾けるではありませんか・・・
みんな、自分の順番が来ると焦ってしまうので、早いテンポで弾く方が自然と上手く行くようです〔苦笑〕
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「譜面台が無いため、試写室の椅子に楽譜を置いて練習中」   しかし、どうも楽譜が見づらいので作画の三浦さんが発明してくれた譜面台を使用することに・・・
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「蒲団ばさみハンガーコラボ譜面台!完成☆」   とっても見やすい譜面台にスタッフ一同、大喜びしていると・・ 美術館から譜面台をお借りできるとの噂が!!!とても助かります☆ありがとうございます!   <今週の広報から2> 鈴木さんが「アニマックス」の特番のためのインタビューを受ける。インタビュアーとしてきていたのが元「アニメージュTV」を担当していた佐藤氏で、いっしょに元徳間書店時代の仲間だった大塚さんも来社。インタビューは鈴木さんを前にして佐藤氏があまりに緊張してしまったためか、短時間で終了。「えっもうおしまい?」と鈴木さん自身が驚くほど。(この日の様子は、アニマックスで8月18日から24時間放送される“アニソンベスト500”(仮題)という番組でOAされます) ただ、徳間時代を知っている筆者がしみじみ思ったのは、昔の徳間書店というのはいろいろな事業に手を染めており、事実上の解体となった現在も、OBはいろいろなところで活躍しているんだなぁ、ということだった。OBのみなさんの活躍をお祈りします。
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「鈴木さんは手馴れたもの。緊張するのはインタビュアーの方だった!?」    <今週の広報から3> 最近の恒例企画となった誕生日ネタ。今日のお誕生は海外事業部の武田部長です。やっぱり、ケーキでお祝い。丁度、ご挨拶でスタジオを見学に来ていたアードマンのご一行もいっしょに記念写真を。武田さん、これからもますます元気に、ビシビシと、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます 。
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「楽しそうな海外事業局とお客様のみなさん」
5月11日(木)
夜遅く美術部を訪ねてみると、若手ホープ佐藤さんが残って作業をしていました。というわけで、佐藤さんを先生に迎え、背景描きの「ミニミニ体験講座」を受けることになりました(笑)まずは、空と雲の描き方から。始めに「水張り」・・画用紙を水で濡らして紙を馴らす作業を行います。次に「地塗り」・・画用紙が濡れている間に、ある程度絵の下地を作っていきます。そして乾かないうちに(これが最高に焦ります!)雲を描き、電信柱を描き、電線を描こうとしたら、力を均一に入れることが出来ずにド太い電線が完成。
「難しかぁ~。」と思わず博多弁が漏れてしまうサンキチ・・・。
自分の絵心の無さに凹むと同時に、美術スタッフの見事な背景を目の当たりにして、溜め息が漏れるほどの美しい背景に惚れ惚れするのでした。佐藤さん、とても貴重な体験をありがとうございました!
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「年季の入った美術道具たち。多大な集中力で背景スタッフも頑張っています!」
5月12日(土)
<ジブリに入って、感じたこと その2>
植物好きなスタッフが多いということは前にもお話いたしました。そのことが、如実に表れている場所があります。その場所とは、様々なグリーンたちが置かれている第一スタジオの「らせん階段上」です。
この植物たちがいつまでも枯れずに育っているのは、自発的に水やりを行っているスタッフの方々がいるからこそなんです。様々な種類の植物が、窓から差し込む陽の光とスタッフの愛情たっぷりの水やりでいつも青々としています。
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「階段を通る度、緑が鮮やかに出迎えてくれます」  
5月14日(月)
この所、天気が不安定な東京!早い物で5月も3週目に入る。
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「新緑が鮮やかな5月の3週目です」 いつものようにスケジュールの状況を確認して回っていると、なにやら制作の席から可愛らしい音楽が聞こえてくる。どうやら「ポニョ」の物語中に流れる音楽らしい! まだ仮の曲でどう仕上がるのかは謎なのだが、仮の状態でも良いのではと思える位に「ポニョ」にはまりすぎている。あまりの可愛さに振り付けを付けようと勝手に盛り上る制作陣!「ナウシカ」「ラピュタ」や「トトロ」のようにどの世代からも愛される、誰もが口ずさむ曲に仕上がって欲しいと思う一同である。   このところ、第一スタジオの仕上げの部署の出入り口に植えられているバラが見事な花をつけている。色彩設計の保田さんも、毎日気にしながら、花の咲くのを楽しんでいる様子。いつも通っている出入り口なのに、言われてみて初めて「こんなところにバラの花あったっけ?」と改めて気付くスタッフもかなりいて、下ばかりではなく上を向いて歩こうよと思う今日この頃なのである。
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「このバラに気付かないなんて...」 
5月15日(火)
「ポニョ」動画担当の手島さんが1cut 633枚のcutを上げる。普通、枚数500枚以上となると一人で作業をすると当然相当な期間がかかってしまう物。通常ジブリでは、数名で分けて作業するのが基本になっている。
ところが、彼女はたった一人で約3ヶ月をかけて600枚ある動画を書いてくれました。このcut、作画内容が楽ならまだ救われるのですが作画内容も異常!枚数・内容共に大変なcutをコツコツと一枚一枚書いていくのです。気の遠くなる作業です。本当にお疲れ様です。
これで終わりなら良いのだがそうはいかないのがジブリ作品!!!動検の舘野さんも絶大な信頼を寄せている彼女には、これからも大変なcutをお願いしていく事になると思われますのでよろしくお願いします。
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「QARに撮りこんだ動画をチェックする監督とメインスタッフ!」   余談になりますが633枚のcutを一人で上げて頂いた手島さん!十分凄い事です! さらに、美術館用フイルムぐるぐるの動画約2500枚を4ヶ月で上げてくれた土岐さん!!・・・・上には上がいます!! つくづく優秀なスタッフに恵まれているスタジオだなぁと感じる制作でした。     この日、昼ごろ、寒気の流れ込みで天候が不安定になる関東地方。ここ小金井でも昼ごろ激しい雷と雹(ひょう)が観測される。今年の5月はいつまでも寒気の流れ込みが止まらず、天候がなかなか安定しない。梅雨入りも遅れ気味なのである。
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「晴天だったのに、一転にわかにかき曇り...」
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「小金井でも雹を観測」
5月16日(水)
~たまにはウシコ~
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「夜明けのウシコ。しゃきっとしています」   「アズールとアスマール」の予告編の初号が五反田のイマジカ第一試写室で上映される。朝9時半からという早朝(?)のためか、やっぱり高畑監督は欠席。またこの日、「ゲツヨル!」の取材でカメラが入っていたため、サービス精神旺盛な鈴木Pはさかんに周りの人に話しかけて、カメラのために面白い画を撮らせようと頑張っていた。結構みんなカメラを意識してかおとなしくいまひとつのコメント...。彼女ならと、「美樹ちゃん、どうだった?」と後ろのほうに座っていた武田さんに話を振ってみたところ、明るい声で「最初から観てないからわかりませ~ん」と、“遅刻してきて途中からもぐりこんだらしい”武田さんの屈託のない返事が返ってきただけであった。   出版部のイッヒーがご覧のように頭をグルグル巻きにしている。「ケガした?」「寒いの?」と尋ねると、そうではなくて次回編集を担当する本のために気持ちを盛り上げるためらしい。なるほど、次回作は中世イスラムが舞台で、この白い巻物はターバンのつもりなのだとか。そう、彼女は7月21日に公開される「アズールとアスマール」の絵本の編集を担当するのである。こんな一生懸命な彼女が担当しています。7月に発売予定なので、みなさん是非とも手にとって見てください。
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「ターバン、に見えないこともないが...」   週末からジブリ美術館で公開される「3匹のくま」展のプレスリリースの撮影のためにほぼ完成した展示を見るのと写真撮影のために、広報部の面々が出かける。宮崎監督も丁度現われて、出来上がったばかりの展示を楽しみながら、チェックにも余念がない。監督の指示で雰囲気を出すために照明を落とせと言われたのだが、おかげで最初の部屋はバーみたいな雰囲気に!?そのうち、きっと宴会が開かれるに違いない!?いや、筆者はどちらかというとサークルの合宿の夜、消灯時間を過ぎたあと、いつまでも寝ないで酒を飲みつつ青春話に興じる合宿所の感じに似ていると思った。ほろ苦い青春時代の思い出に浸るN部長なのである。
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「みんな、まったりしています!?(本当は疲れてぐったりしているのだと思う)」   突然、気付くと広報部のタムチンが、すっくとテーブルに立ち上がってキョロキョロと不審な動きを。「上から見たら、どう見えるかと思って」とはタムチンの弁。でも、明らかに驚いたんですけど...。
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「カントクもびっくり」
5月17日(木)
今日は朝から天気の悪い東京、今日は今月唯一の野球部練習日だっだのに、当然中止の憂き目に・・・。近いうちに試合も予定されているというのに、練習をしない状態で果たして大丈夫なのだろうか、とても心配である。
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「ジブリ野球部「梶野町ビックマウス」のマスコット、次の試合を待ち望む坊ねずみ!」
5月18日(金)
席を離れて百瀬さんの部屋、通称“百部屋”に遊びに行ってみると、机の上に頭の大きな女の子の人形が置いてある。
この人形!作画のアレックスさんが手にいれてきたらしく、百瀬さんのお気に入りなのだが、目が何種類もの色に変わるらしく、色が変わるとなんとなく雰囲気が変わって見えるこの人形。
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「目を緑にしてみました!これは可愛らしい!!」
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「ピンクにしてみました。これも可愛いが、少し怖い・・・」
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「マリリンモンローと並んでさらににぎやかになった百部屋」   さて百瀬さんのお仕事の方はというと、9月の中から「ポニョ」と並行して作業の進んでいた短編アニメーションもいよいよ追い込みに入りました。(これと同時に雑誌の挿絵のイラストを描くなど、多数の仕事をこなしているのが凄い所です!) 作業は終盤!!ラストcutも後わずかです、後少しよろしくお願いします。By慎太郎
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「残り少ないcutのチェックをする百瀬さん!」
5月19日(土)
「ポニョ」の動画出しの棚に余裕が無かったため手空きになってしまっていた個人外注さん3名に約1ヶ月ぶりに動画入れにいく!!この3名の個人外注さん、古くからジブリ作品をお手伝いしてくれていて動検の舘野さんの信頼も厚く、いつもすばらしい動画を上げてきてくれます。ところが、この1ヶ月出せるcutが無く手を空けてしまうという非常に勿体ない状況が続いていた。
が!この状況を打開してくれたのはゴールデンウィーク明けから作監に入ってくれた高坂さん!!まだジブリに入ってから2週間しかたっていないのにも関わらず作監の近藤さんの負担を減らし、確実に作監のペースを上げてくれています。これで本当に少しだが棚にcutが溜まってきました。といっても来週の頭には全て動画出ししてしまう予定・・まだまだ棚に貯金は溜まりませんが確実に成果は出ています!
近藤さん・高坂さん!これからも制作部一同期待しています。
5月21日(月)
作画部で可愛がっているナマズ君が元気がない。どうやら順調に育ち過ぎて体が大きくなった為、今の水槽だと狭くて体をぶつけてしまう事が原因のようだ。早速、ナマズ君の飼育係でもある演出助手の清川君が一回り大きな水槽を買ってきて引越しをさせる事に。徐々に水を入れ替えてナマズ君を新しい水に慣れさせながらの引越し作業。作業する清川君のその目はまるで我が子を見守る様な温かく優しい目をしていたのが印象的だった。
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「無事、大きな水槽に引越しが終わり快適そうに眠るナマズ君!」   6月4日OAの日本テレビ夜の番組「ゲツヨル!」のスタジオ収録で鈴木プロデューサーが日テレ生田スタジオに向かう。ちょっと早めに着いてしまった鈴木さんは、さっそく散歩に出かけ、周囲の緑の中を30分くらい歩き回っていた。こうして頭と気分をリフレッシュするのが鈴木流だ。生田という土地は確かに緑に溢れる良いところだったと思う。
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「ただいま、お散歩中」 さて、いよいよスタジオトークの収録。事前に準備されたVTRはほとんどなく、司会の三宅さんと羽鳥アナの進行で収録は進む。テリー伊藤さんや秋元康さんなどを人気プロデューサーをお呼びしてのスタジオトークは面白かったし、立体造形物で埋め尽くされたスタジオもとても楽しく、収録後、秋元さんや勝俣さんらが子供のに自慢するためにと、トトロと一緒に写真を撮っていたのが印象的だった。鈴木さんは、「眠い眠い」といいながらもトークはいつもの感じで無難に乗り切り、とても面白いものになったと思います。是非OAを楽しみにしていて下さい。
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「スタジオ内のモニターでチェックする鈴木さんの様子」
5月22日(火) 
この夏公開の話題のアニメーション映画「アズールとアスマール」のプロモーションを兼ねて、オスロ監督が来日。今日はジブリを訪問して、日本語吹き替え版を観て、高畑監督や鈴木プロデューサーと歓談する。写真撮影で密着していた広報部机さんの話によると、上映終了後の監督が発した言葉は「エクソン!」と聞こえたらしい。たぶんこれは「テクセロン!」というのが正解のようだ(英語のエクセレントに相当する“素晴らしい”という意味)。また、通訳を兼ねて同行していた海外事業部の“いい男”オッチーは、日本語のみならずフランス語もネイティブのような発音らしく、「彼のフランス語は流暢だ」と、オスロ監督がずいぶん感心していたという。
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「ジブリ訪問中のオスロ監督。高畑監督とともに」   ジブリ社内の内線電話は数字3桁である。管理部の島宮局長の内線は110番。この番号を見てピンと来る方もいるだろうが、島宮さんに掛けようとして、外線の110番に掛けてしまう人が時々いるらしい。「はいこちら110番、警察です。」と太い声でいわれた時のドキドキ感はかなりのものだと思う。そんなわけで今日、「間違って警察にかける人がいるんだって!バカみたい」と明るく話題にする広報部机さんの発言に、「私は、2度警察に掛けたことがある」とボソッと告白する広報部タムチンなのであった。
5月23日(水)
先週、今週と作打ちが連日続いている。手持ちシーンが終わった社内原画スタッフと交渉していた外注原画スタッフの合流が重なった為で、現在上がっている絵コンテ分は、ほとんど作打ちが済んでしまった。宮崎監督は「やばい、絵コンテを早く描かないと作打ちが出来なくなる・・・」と頭を抱えている。そんな監督の言葉に乗っかって「そうですねー。このままだと原画さんが空いてしまうので絵コンテお願いします」とお尻に火を点ける制作陣なのである。
5月24日(木)
制作部の渡邊と伊藤が所用でジブリ美術館の近くに行ったので、先週から美術館で展示が始まっている「3びきのくま」展を見学していく事に。くまの家に入り、最初は展示物を細かく見たり読んだりしていたが、子供が見たらどうなのかが気になり膝を曲げて子供の目線で部屋を見渡してみる。すると部屋の表情が全く違うのに気付いた。大人の目の高さで家に入ると「お邪魔する」という気分。子供の目の高さで入ると「忍び込む」という気分。子供の目の高さで入ると本当にドキドキする気持ちになる。「3びきのくま」展に行かれる方は、是非子供の目線で見てみて下さい。子供がこの本になぜドキドキするかが体感できると思いますよ。
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「子供の目線でテーブルの上を眺める」  この夏、現代美術館で開催される「男鹿和雄展」関連の打ち合わせで、八王子の男鹿さんのアトリエへ出かける。引っ越したばかりのアトリエは多摩川の支流に面していて、夕陽がきれいに見える。東京都下でこんなに開けた土地に面した物件はなかなかないに違いない。その日の天候によって、夕陽や雲はころころと表情を変えるので、このような景色を日々眺めて過ごすのも美術に携わるものにとっては大事なことなのだ。ただ、西日をまともに受ける間取りでは夏は暑いんじゃないかなと思ったのだが、その暑さの中で涼しい顔をして窓から外を眺めているのも、男鹿さんらしいと思ったひと時だった。
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「アトリエからの眺め。夕陽にはまだ少し早いか...」
5月25日(金)
「ポニョ」の制作も中盤に差し掛かり、原画・動画それぞれに心強いフリーのアニメーターの方々が合流してくださり、当初は空席が目立っていた作画部の作画机もいつのまにやらぎっしりと埋まってきた。これから制作状況も序盤の「映画の作風を作り出す作業」から本格的に生産体制へと入っていく。終盤の追い込みを迎えるまでにどれだけカット数を各セクションが上げておく事が出来るかで作品の質は変わってきます。制作部としても一番重要と考えるこの時期、気温の上昇と共に緩みそうな気持ちに帯を締め直し、今日も社内回りをする制作陣なのである。
5月28日(月)
原画や動画が上がると、動きの確認をするために必ずQARという機械に入れ込んでチェックをします。そんなチェック中の時のことです。別のスタッフが後ろを通りかかってチラッと見ただけで、シートの打ち間違えを発見し、動きが少し可笑しいのでは、と指摘なさいました。確認すると、確かにシートの打ち間違えでした。それは、何度見ても気づけないほどのちょっとした動きでした。
「見える人には見える。分かる人には分かる。」
一瞬の動きも見逃さない鋭い眼光は、プロであることの意識の高さを物語っていました。
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「本日も動きをチェック中」
5月29日(火)
のどかな昼下がり、自転車置き場に自転車を止めようとしたら、何やら気配がします。しかし、人影はありません。けれども気配だけはするので、キョロキョロと辺りを見回していると・・・。なんとウシコが山森さんのバイクに乗っかって「私のものよ!」と言わんばかりに寝そべっているではないですか!!
もしや、ひそかに運転しているのでは???
ガソリンが減っていたら要注意です!
間違いなく、ウシコがツーリングしたに違いないのですから!
証拠写真はホラ!この通り! 
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「ウシコ、ばっちりポーズ決まっています☆ 」
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「んっ?もしやポーズ取ったままでお昼寝中なのですか?」   <こちら広報部から> 6.4にOAされる「ゲツヨル!」の取材で会議にテレビカメラが入っている。日常の鈴木さんを撮るためらしい。確かに、鈴木さんは、カメラがあろうがなかろうが何も変わらない。「まずいところは後で切ればいいんだから」と企業秘密もなんでもしゃべってしまう。どうしてもカメラを気にしてしまうのは、20人の同席したスタッフたちだけだった。ところで、この日のディレクターはテレビマンユニオンの八幡さん。お母さんになっても頑張っている八幡さんは、ジブリものとなると何度となく呼ばれて登場している名ディレクターだ。
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「会議の様子。今日は、いい画が撮れましたか」
5月30日(水)
昨年の秋に見たスタジオは、茶色い枝が壁一面に張り巡らしてはいたものの、緑の葉っぱなどは一枚も無く、全体的に茶色のイメージでした。しかし現在、青々と生い茂る蔦の葉っぱに、すっぽりと包み込まれているスタジオを見て、改めてこう感じます。
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「やっぱり、きっといるよ。きっと…」
5月31日(木)
外注の方のお家へ動画の回収へ行く際は、本当に緊張します。
転んでカットをばら撒いたりしないように。
いきなり盗まれて無くしたりしないように。
雨が降れば、カットがヨレヨレにならないように。などと心配してしまいます。
特に夜は、必要以上に、ただ横を通り過ぎただけの人を警戒してしまうほどです〔苦笑〕
何せ、夜の住宅地は意外と怖いので・・。疑われた方すみません。ご了承ください〔笑〕 
回収は夜中が多いため、事故には十分に気をつけて運転していますが、やはり暗いと視界が狭くなり、雨が降るとなおさら運転に神経を使うことになります。毎日、パトカーやら救急車、消防車に白バイと遇わない日はありませんし、カーレーサー?!かと思わせるスピード狂の車も結構いたりします。そんな中、信号待ちでふと世の中の忙しさを客観的に感じてしまいます・・。
兎にも角にも、皆さん交通事故だけは気をつけて安全運転で行きましょうね!
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「毎日フル回転の制作車キューブ君。もう一台の相方は入院中。(修理中)」   <こちら広報部から> 6.16に全国公開される話題の映画、「舞妓Haaaan!!!」の社内試写が昨日から行なわれている。京都を舞台に舞妓さんにあこがれるあまりに、大暴走を繰り広げる主人公鬼塚の活躍を描く、クドカン脚本阿部サダヲ主演の抱腹絶倒ハイテンション・コメディだ!今日の試写は、鈴木Pや高畑監督も参加。ご挨拶に来社した水田監督もちょっと緊張気味のようだった。
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「鈴木さんに挨拶する水田監督」
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「監督の舞台挨拶付きとは豪華だなあ」   試写を観た感想は、正直にいうとジブリ社内では両極端だった。クドカンや阿部サダヲを知っている人には大絶賛、そうでない人にはよくわからなかったらしいのだ。でも、圧倒的に前者が多い若いスタッフの間では、翌日、この映画の話題で持ちきりだった。おじさんスタッフにはクドカンを一から勉強してもらいたいものである。 実はこの映画、企画は植木等の「日本一の男シリーズ」をこよなく愛する日本テレビの奥田さんの企画だとか。先日惜しくも亡くなられた植木さんの最後の映画出演ともなった「舞妓Haaaan!!!」、是非とも劇場でご覧下さい。     いろんなことがあった5月もこれでおしまいです。「崖の上のポニョ」の完成まで、あと一年となったわけですが、来年の今頃は、きっと目の色が変わっていることでしょう。新緑やバラの花にも気付かないで...。 いつも心にちょっとだけ余裕を持っていたものです。