文档:野中君發吉卜力新聞/2020年

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 2019年 2020年 2021年
「野中くん発 ジブリだより」2020年1月号
 
 皆様、新年明けましておめでとうございます。今年はねずみ年。スタジオジブリの会社としての年賀状は例年通り宮崎駿監督が描き下ろした干支の絵、つまり今年はねずみの絵を使っています。ジブリのホームページにも新年から掲載されていると思いますが、独特の可愛らしさと可笑しみがありますね。下の方にずらっと並んだねずみ達は何となくジブリのスタッフを思わせます。とするとその上で小判の入った大きな袋を運んでいるのは?と一瞬妄想したりしましたが、そんなことを考えなくても、楽しい絵柄です。
 
 さて、スタジオジブリは昨年は宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」と、宮崎吾朗監督のCGの新作長編の2本をひたすら制作しておりました。今年もその2本が中心になりますが、もう1つ、ジブリパークの仕事もいよいよ本格的に展開することでしょう。昨年5月に、愛知県とスタジオジブリ、中日新聞社の3者はジブリパークについての基本合意書を締結。愛知県長久手市の愛・地球博記念公園にジブリパークを整備し、運営することについて連携し協力していくことを発表しました。11月1日にはジブリパークの運営会社として株式会社ジブリパークの創立総会が開かれ、中日新聞社とスタジオジブリの2社が共同でこの会社を設立しました。また、『熱風』のこの号が出る頃はちょうど募集を締め切ったところとなりますが、スタジオジブリとして初めて、ジブリパークの企画開発業務を担当してもらうための社員募集を昨年11月下旬から開始しました。募集発表直後から結構な反響がありどんな人に来てもらえるか、期待しているところです。対外的なものとしてはこうした出来事がありましたが、社内ではその前からずっとジブリパークの作業は進行しており、宮崎吾朗監督は新作映画とパークの仕事を両方やっているので多忙な日々が続いています。今年は人も増えて、現地では整備の具体的な作業も始まるはず。ジブリの2020年は、映画2本とこのジブリパークの3つが、大きな柱となるでしょう。
 
 一方、三鷹の森ジブリ美術館は、今年もいつも通り1月3日から開館し、お客様をお迎えしています。先月もお伝えした新企画展示『手描き、ひらめき、おもいつき』展〜ジブリの森のスケッチブックから〜はお陰様でとても好評で、有難いことです。
 
 スタジオジブリと三鷹の森ジブリ美術館を、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
「野中くん発 ジブリだより」2020年2月号
 
 スタジオジブリの今年の仕事始めは1月6日(月)。この日は昨年と同様に、宮崎駿監督の誕生日(正確には1月5日)を祝う、サプライズのちょっとしたお誕生日会を催しました。第1スタジオ1階のバーに特別製のケーキを用意し、新年早々に行われた「君たちはどう生きるか」のラッシュを終えて宮崎監督が現れるのをスタッフ一同待ち構えていたのですが、この日はいつになくラッシュが長引き、予想時間をかなり過ぎたところに宮崎監督登場。拍手でお迎えし「ハッピーバースデー」を皆で歌いました。宮崎監督がケーキのロウソクを吹き消した後は、みんなでケーキを美味しく頂きしばし歓談。今年のケーキも昨年同様に「君たちは〜」のキャラクターをあしらっていたのですが、今年はすごくかわいいキャラクターだったので、その姿を描いたクッキーが大人気でした。ケーキも凝っていて、そのキャラクターのシーンを再現するべく立体構造で内部が発光するまさに特別製。デザインと仕掛けはジブリのスタッフですが、それをケーキで見事に表現するケーキ屋さんの技術はすごかったです。もう1つ、今年はねずみ年なので、年男の鈴木敏夫プロデューサーのためにねずみの絵(元はジブリの年賀状の絵)を描いたクッキーの載ったケーキも用意され、鈴木さんに食べてもらいました。2020年はこんな感じで始まり、現在ひたすら新作を作っています。
 
 さて、昨年12月に上演されて大好評だった新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』が、ディレイビューイングとして全国の映画館で上映されます。昼の部を前編、夜の部を後編とし、それぞれ2月14日(金)〜2月20日(木)、2月28 日(金)〜3月5日(木)の1週間限定上映となります(一部期間が異なる映画館あり)。舞台をご覧になれなかった方はこの機会にぜひどうぞ。詳しくは新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』公式HPや、ローソンチケットの特設ページ等をご覧下さい。
 
 また、ジブリ学術ライブラリーSPECIAL「池澤夏樹映像作品全集」のTBS編2タイトル「未来からの贈りもの─この星を旅する物語─」「スティル・ライフ」のDVDが2月19日(水)に発売されます。販売はポニーキャニオン。こちらもどうぞ宜しく。
 
 最後になりましたが、映画のまち調布シネマフェスティバル2020で、2月29日(土)〜3月8日(日)に「天空の城ラピュタ」が上映されます。詳しくは同フェスティバルの公式HPをご覧下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年3月号
 
 既報の通り、三鷹の森ジブリ美術館は、新型コロナウィルス対策として3月17日(火)まで臨時休館中です。申し訳ありませんがチケット代金の払い戻し、最新情報等、詳細はホームページをご覧下さい。
 
 さて、そのジブリ美術館ではこの度、初めて公式写真集が出ることになりました。題して『ジブリ美術館ものがたり』。この『熱風』誌でも写真と詩を連載中のKanyadaさんの撮影です。鈴木敏夫プロデューサーの本『南の国のカンヤダ』の主人公であるKanyadaさんは、タイ在住のシングルマザー。元々はカメラマンだったわけではなく、使用カメラはiPhone。特別な機材は使 っていませんが、彼女の撮る写真には誰にも真似出来ないオリジナリティと美しさがあり、そこが高く評価されて『熱風』の連載、そしてこの度の写真集となりました。同じものを見ているはずなのに、Kanyadaさんが写真を撮るとそこには常に発見があり、被写体の真実を感じ取ることが出来ます。今回の写真集のテーマは「大人が忘れた子供の目線」とのことですが、大人には見えないトトロがサツキやメイには見えたように、Kanyadaさんの目を通して撮影された写真には、今まで見えていなかったジブリ美術館の姿と美しさが写されている、そんな気がします。ディスカヴァー・トゥエンティワンより3月20日(金)に発売、オールカラー・ハードカバーで3800円(税別)。どうぞよろしく。
  さらに新商品のご紹介を。一昨年秋、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」3作品のLPが復刻発売されて、とても好評でした。そこで今回は、「魔女の宅急便」と「紅の豚」の、イメージアルバムとサントラ盤がそれぞれLPで発売になります。この2作のアルバムはこれまでほぼCDでしか出ていなかったので、今回は復刻ではなく新制作となります。ジャケットはオリジナルのニューデザイン、音源もマスターテープに立ち返ってアナログ盤用のマスタリングをきちんと行いました。各3800円(税別)、徳間ジャパンコミュニケーションズより3月11日(水)に発売です。こちらもどうぞよろしく。
 
最後になりましたが、金曜ロードSHOW!ではこの春、2週連続でジブリ作品を放送します。3月27日(金)は「魔女の宅急便」、4月3日(金)は「思い出のマーニー」。春らしく「旅立ち」や「新生活」をイメージしたセレクトです。ぜひご覧下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年4月号
 
 三鷹の森ジブリ美術館は去る2月22日(土)、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月25日(火)から3月17日(火)まで臨時休館とすることを発表しました。3月7日(土)の三鷹の森アニメフェスタも中止に。しかし、多くの方がご存じと思いますが、その後の状況を踏まえ、三鷹市とも協議して、休館の期間をさらに延ばすことを決定。4月28日(火)まで休館とすることを、3月13日(金)に発表しました。安心してご来館頂くために十分な時間を取る必要を感じた故の決定です。もともと、ジブリ美術館は5月のゴールデンウィーク後に約10日間、メンテナンスのための休館を毎年実施しており、この休館期間を前倒しして今回の臨時休館期間に接続、ゴールデンウィーク直前までお休みしてその間にメンテナンスを済ませ、4月29日(水)の祝日から再開する段取りとなっています。この間、チケットが取れたのに休館のため行けなくなった方、以前からこの時期にジブリ美術館に行こうと考えていた方など、多くの方々のご期待に沿うことが出来なくなり、申し訳ありません。
 と、ここまで3月17日(火)現在の状況・情報に基づいて書いておりますが、日々、全体的な状況は変化していることをほとんどの方が感じていらっしゃると思います。美術館についてのこれらの情報も変更されている可能性があります。チケットご購入、ご来館の際には、事前にジブリ美術館の公式ホームページをご覧になり、最新情報をぜひご確認下さい。(4月13日追記: 三鷹の森ジブリ美術館は、臨時休館延長を発表しました)
 さて、スタジオの方は、定番ですが、手洗い・アルコール消毒・検温の奨励、玄関やトイレ等への消毒用アルコール設置等を行い、時差出勤可などの対応をしながら日々の仕事をこなし、新作制作の作業をしてきました。さらに3月28日(土)から4月5日(日)には、新型コロナウイルス感染症の予防対策及び従業員・スタッフの休養のため、臨時休業を実施しました。早く事態が収まることを願っております。(現在スタジオは、政府および東京都の要請を受けテレワークを実施しています)
 最後になりましたが、4月10日(金)から5月24日(日)まで、岡山県立美術館で開催予定だった「高畑勲展」も、この状況に鑑み会期が後ろにずれることになりましたのでお知らせいたします。楽しみにしていらした方々には申し訳ありませんが、今少しお待ち下さい。宜しくお願い申し上げます。
「野中くん発 ジブリだより」2020年5月号
 
 この原稿が掲載される『熱風』は、5月8日(金)以降に配布される予定のはずですが、ゴールデンウィーク進行ということでいつもより締め切りが早く、実際に書いているのは4月8日(水)です。緊急事態宣言発令の翌日ということになりますが、果たして1か月後にどういう状況になっているのか、想像するのは困難です。新型コロナウイルスについては状況の変化が激しく、少し前のことも、冷静に思い出してみると今とは感覚が随分と違っていて、何か非現実的なことのように感じられます。たとえば、懸念は大いにあったものの、3月24日(火)まではこの夏オリンピックを開催することに一応なっていたわけで、延期発表から緊急事態宣言発令までわずか2週間。宣言の期間はひとまず5月6日(水)までですが、スタジオジブリもこの状況に鑑み、在宅勤務を4月7日(火)より実施することを、前日の4月6日(月)に決定しました。事務系の部門だけでなく、制作部門もです。自宅で作業が出来るようにするには1日では準備しきれず、7日から即対応とはいかないところもありますが、ともかく出来るだけ速やかに、原則として在宅勤務をするようにしています。宣言に合わせて当面5月6日(水)までの実施予定(4月8日現在)。スタジオでは、中島清文社長が社内向け一斉メールに書いたように、先例のない事態に対し、各人、柔軟な発想でもって粛々と業務を進めつつ、感染から身を守るため最大限注意する、ということで対応しています。
 
 新型コロナウイルスへの対処としては、このページでも以前からお伝えしてきたように、三鷹の森ジブリ美術館が2月25日(火)から休館しておりましたが、最新状況については美術館の公式ホームページをご覧下さい。なお、そんな中ではありますが、4月1日(水)には4名の新人がジブリ美術館に入社しました。
 あと、愛知県美術館で6月25日(木)〜9月6日(日)に開催予定だった「ジブリの大博覧会」ですが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、延期されることになりました。申し訳ありません。チケットの払い戻しが 6月30日(火)まで行われていますが、それも含め、新たな会期等、詳しくは展覧会の公式ホームページをご覧下さい。
 また、岡山県立美術館で4月29日(水・祝)から開催予定だった「高畑勲展」も、延期となりました。申し訳ありませんが公式ホームページをご確認下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年6月号
 
 この原稿を書いているのは5月14日(木)。ちょうど、39県での緊急事態宣言解除が発表された日ですが、東京はまだですので、今少し、スタジオは在宅勤務を継続し、三鷹の森ジブリ美術館も臨時休館を続けるはずです。先月同様に、この原稿が掲載される『熱風』6月号が世に出る6月10日(水)頃、状況がどうなっているかは予想困難ですが、ともかく制作部門は地道に新作の制作作業に取り組んでいて、事務部門もそれぞれの仕事をこなしています。ジブリパークの作業も進行中。
 
 こういう状況なので、『熱風』をいつも通りに配布するのもなかなか難しく、5月号は急遽、PDFファイルをダウンロードして、インターネットを通しても読んでいただけるようにしました(配信期間は6月9日(火)までの予定)。スタジオジブリでは他に、4月13日(月)から数回に分けて、WEB会議などで使っていただけるように壁紙の配信をホームページで始めました。徐々に増えて、5月18日(月)には各作品一点の計24点となる予定。幸い好評のようです。
 
 一方ジブリ美術館ですが、2月25日(火)から閉めていますので、3か月以上に臨時休館が及ぶのはまず間違いないでしょう。こちらは休館中の特別企画として、スタッフが撮影した館内の様子を音楽付きで数十秒〜一分程度に編集した「動画日誌」を、4月15日(水)から一週間に一本のペースでYouTube上にアップしています。ジブリ美術館のホームページで視聴可能です。ジブリ美術館の細部が楽しめる映像は意外と無いものですし、あのプリシラ・アーンさんが特別に提供して下さった音楽が聴ける回もあって、こちらも好評です。ジブリ美術館では特別企画としてもう一つ、普段は美術館のショップ「マンマユート」でしか買えない「ジブリ美術館紋章クッキー」を、4月27日(月)よりネット上(どんぐり共和国そらのうえ店)で販売開始しました。ジブリ美術館のホームページからリンクが張られていますが、限定販売なので売り切れ終了の場合はご容赦下さい。なお、ジブリ美術館の最新状況も同館のホームページをご覧下さい。
 
 最後になりましたが、延期になりました愛知県美術館の「ジブリの大博覧会」、岡山県立美術館の「高畑勲展」につきましても、最新状況は各ホームページをご確認下さい。前者はチケットの払い戻しが6月30日(火)までですので、購入された方はご注意を。
「野中くん発 ジブリだより」2020年7月号
 
 宮崎吾朗監督最新作、全編3DCGによるスタジオジブリの長編アニメーション 「アーヤと魔女」の概要が先月発表されました。原作は「ハウルの動く城」と同じく、イギリスのファンタジー作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズさん。原作小説『アーヤと魔女』は2011年に亡くなった彼女の遺作になりますが、この本の日本語版(徳間書店刊)を宮崎駿監督はとても気に入り、帯に「なんという愛らしい本でしょう。(中略)ぼくは5回位スミからスミまで読みました。」という文章を寄せています。今回の映像化は宮崎駿監督の企画です。宮崎吾朗監督の前作はNHKで放送されたテレビシリーズ「山賊の娘ローニャ」(制作・著作:NHK、ドワンゴ)で、このときも基本的には3DCGでしたが、完成画面は見た目をセル画風に変換して絵作りを行っていました。「アーヤと魔女」はピクサー作品等と同様のリアルな3DCGの映像で全編を制作しており、言うまでもなくジブリ初です。制作・著作はNHK、NHKエンタープライズ、そしてスタジオジブリ。この冬にNHK総合テレビで放送予定ですが、先日、いち早くカンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション2020に選ばれました。
「アーヤと魔女」は、自分が魔女の娘とは知らずに育った少女アーヤが、ある日、奇妙な家に引き取られ、そこで意地悪な魔女と暮らすことになったことから始まる物語。鈴木敏夫プロデューサーは発表時のコメントで「『アーヤ』は、コロナ後に堪えられる作品なのか?ラッシュを見ながら、ぼくは何度も考えました。そして、この作品の大きな特徴は、アーヤの賢さだと気づきました。賢ささえあれば、どんな時代も乗り越えられる。そう思ったとき、安堵を覚えました。(中略)『アーヤ』は世界一賢い女の子の物語です。」と語っています。そして吾朗監督は「今、僕たちの国では、大人ばかりが多くて、子どもの数が少ないです。その少ない数で沢山の大人を相手にしなければいけないから、今の子どもたちは大変だろうな。そんなことを考えているときに僕はアーヤに出会いました。そして、「そうか、そうすりゃ良いのか!」と思ったのでした。アーヤが面倒くさい大人たちを相手にどうするか?(中略)憎たらしいけど、可愛い僕らのアーヤが、子どもたちを勇気づけ、大人たちを元気づけてくれることを、心から願っています。」とコメントしています。ニューヒロイン・アーヤ誕生まで、今少しお待ち下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年8月号
 
 今年の春以降に予定されていたスタジオジブリ関連の展覧会は、新型コロナウイルスへの対応ですべて一旦延期されましたが、この夏は2つの展覧会が開かれています。1つは岡山県立美術館の「高畑勲展」。元々は4月から開催予定でしたが会期変更で8月1日(土)からスタートしています。2期に分かれており、前期は9月8日(火)までで、後期は9月21日(月・祝)から9月27日(日)までとなっています。昨年東京で開催されとても好評だったこの展覧会、高畑さんの故郷である岡山での巡回展となります。新型コロナウイルス対策のため日時予約制を導入しており、前売券をお持ちの方も予約が必要ですので詳細は公式サイトをご確認下さい。
●https://takahata-ten.jp/
 
 そしてもう1つは、愛知県美術館ギャラリーで7月22日(水)から開催中の「ジブリの〝大じゃない〞博覧会」。この夏は「ジブリの大博覧会」を同館で開催予定でしたが延期となり、その代わりに急遽開催が決定した新たな展覧会です。宮崎吾朗監督の最新長編アニメーション「アーヤと魔女」(2020年冬NHK総合テレビで放送)、2022年秋に開園予定のジブリパークの資料等をいち早く展示し、さらに、三鷹の森ジブリ美術館のネコバスや、色んな機会に披露した制作物が勢揃い。フォトスポットも色々用意されていて、ジブリの過去と未来、そして現在を体感出来ます。こちらも日時指定の予約制ですので、詳しくは公式サイトをご確認下さい。9月3日(木)までの開催です。
● https://www.ghibli-daijanaiexpo.jp/
 
 どちらの展覧会もウイルス感染予防と拡散防止に様々な対策をした上での開催となります。是非事前に公式サイトをご覧下さい。
 
 さて、金曜ロードSHOW!ではこの夏、ジブリ作品3本の放送を予定しています。題して「3週連続!夏はジブリ」。8月14日(金)は「となりのトトロ」、21日(金)は「コクリコ坂から」、そして28日(金)は「借りぐらしのアリエッティ」。どうぞ宜しく。
 
 最後になりましたが、「もののけ姫」のLPレコードが発売になりました。前回の「魔女の宅急便」「紅の豚」と同様に、これまでCDのみの発売でしたのでアナログ盤は初。「イメージアルバム」、「サウンドトラック」(2枚組)、「交響組曲」の3タイトルで発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズです。
「野中くん発 ジブリだより」2020年9月号
 
 三鷹の森ジブリ美術館ですが、既報のとおり、7月下旬から限定的にお客様の受け入れを開始しました。とはいえあくまでも試験的な再開であり、まずは三鷹市在住の方を対象に、7月・8月の2ヶ月間の内の12日間、特別のご招待デーを設定。三鷹市の協力を得て市民限定で希望者を募集し、抽選の結果当選した方にご入館頂きました。当然ながら平常時よりぐっと絞られた人数であり、また、館内のオペレーションも新型コロナウイルス対策のため以前とは異なる点が色々ありましたが、その結果を踏まえ、可能ならば、次は9月〜10月にかけて、一般の方向けの限定的な開館を開始しているはずです。その後は再び休館し、11月〜12月には普段出来ない大掛かりなメンテナンスを実施予定。そして、状況が許すならば、年明けの本格的な再開を、と考えています。
 行かれた方はよく分かって頂けると思いますが、ジブリ美術館は名前こそ美術館ですが普通の美術館とは全く違います。新型コロナウイルスへの対応も通常の美術館とは異なる、より困難な方策が求められ、スタッフはこの間、どうしたら再開出来るかずっと検討してきました。その結果、小規模な限定的開館から中規模な開館へと、慎重に段階を踏んで、途中途中で常に検討を重ね、最終的に本格的な再開を目指すという手順を取ることとなりました。長らくお待ち頂いている方々には大変申し訳ありませんが、どうかご理解下さるようお願い申し上げます。
 今後の運営の詳細や本格的な再開の時期等、最新情報は公式ホームページでお知らせいたしますので、随時チェックして頂けますと幸いです。ホームページでは休館中に、スタッフ手作りの動画日誌が始まっており、美術館の様子を楽しんで頂いたり、美術館再開に向けての活動の状況をご覧頂いたりすることが出来ます。こちらもどうぞ宜しく。
 さて、ジブリパークですが、去る7月28日(火)に現地で起工式が行われ、新たな段階に進みました。2022年秋の第一期分開園に向けて、スタッフの活動も活発化しています。
 最後になりましたが、岡山県立美術館の「高畑勲展」、後期が9月21日(月・祝)から9月27日(日)の期間に開催されます。日時予約制を導入しており予約が必要ですので、公式サイトをご確認下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年10月号
 
 11月3日(火・祝)はもちろん文化の日ですが、この日はレコードの日でもあります。この日に合わせて、スタジオジブリ作品のLPレコードがまた新たに発売されるのでご紹介します。2018年から始まったこのジブリ作品のレコード発売、お陰様でとても好評で、当初の、元々あったLPの復刻だけに留まらず、CDでしか出ていなかったタイトルをLPで出す企画に発展し、続いてきました。今回は「千と千尋の神隠し」と「ハウルの動く城」。いずれも初めてのLP発売となります。「千尋」はイメージアルバムとサウンドトラック、「ハウル」はイメージ交響組曲とサウンドトラックの、計4タイトル。サントラは両方とも2枚組ですが、収録時間が4面に分けるほどでは
なかったので、音が入っているのは1〜3面のみ。CDからLPを作るようになって、こういうことは時々起きているようです。4面目には音の代わりに、レーザーエッチング加工で作品のキャラクターが描かれていて、見て楽しめるようになっています。この、見る楽しみというもの、LPはCDよりずっとジャケットが大きいので、LPが好まれる理由の一つだと思いますが、今回のLPもジャケットは完全に新しくデザインされていて、いい感じです。もちろん見た目だけでなく、LP用にリマスタリングされたマスターを使っていて音も良好。サントラは書き下ろしの解説も付いています。発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ。
 
 一方、出版物ですが、『ののちゃん全集』の新刊が先月発売されました。いしいひさいちさんの朝日新聞連載漫画も巻を重ねて12巻目。また、ジブリのアニメ絵本ミニのシリーズ第4弾として、『スタジオジブリのいろんなくらし』も今月発売されました。通常のアニメ絵本は映画を一作ずつ物語絵本化したものですが、一回り小さいこのシリーズは、「乗りもの」「生きもの」「食べもの」など、テーマ別に複数の作品を編集して図鑑のような楽しみ方が出来る本になっています。今回は「くらし」や、「舞台」がテーマ。そして10月31日(土)には、細川晋輔さんの本誌連載に新規対談などを加えた単行本『禅の言葉とジブリ』が出ます。3冊とも発売元は徳間書店です。
 
 最後になりましたが、本誌8月号の特集で触れた、スタジオジブリの著作権についての考え方を具体的に展開するべく、9月中旬より、ホームページで新たな試みを開始しています。どうぞ宜しく。
「野中くん発 ジブリだより」2020年11月号
 
 この度、所沢駅の東口ロータリーに「となりのトトロ」のモニュメントが設置されました。これは、1960年代後半に宮崎駿監督が所沢に住むようになり、所沢の自然や風土に触れるうちに「となりのトトロ」の着想を得たことから、同作品の発祥の地、つまり「トトロの生まれたところ」であることを記念して作られたものです。この原稿を書いている時点では、私もまだ途中段階の写真しか見ていないのですが、大トトロとネコバス、そしてサツキとメイがブロンズで造形されていて、とても雰囲気のあるモニュメントになっているはずです。ジブリ作品のキャラクターを立体化した記念碑が作られるのは初めて。そしてもう1つ、所沢駅の発車メロディも、この度「となりのトトロ」の曲になりました。「さんぽ」と「となりのトトロ」の2つの歌のメロディをアレンジして、約5秒の音源を5パターン作り、5つのホームでそれぞれ個別の音源を再生します。私も今回初めて知ったのですが、駅の発車メロディは、聴いたときにどのホームか識別出来るように、ホーム毎に異なるメロディにするというルールがあるそうです。ジブリ作品のオリジナル主題歌が駅の発車メロディになるのも初めて。モニュメントと発車メロディ、いずれも所沢市の市制施行70周年を記念して生まれました。所沢市に行く機会がありましたら、一度見て、そして聴いてみて下さい。所沢駅では時間があったら5つのホームすべてを回って、聴き比べをしてみるのも面白いかも。
 さて、三鷹の森ジブリ美術館ですが、9月と10月は、限定的ではありますが久しぶりに一般向けにチケットを販売し、お客様にご来館いただきました。開館日数も一日当たりの入館者数も減らし、営業時間も17時半までに短縮、電子チケット限定で、館内の運営方法も種々工夫しての営業でしたが、10月後半には、初めての試みとして当日券の販売も行いました。11月と12月は、通常のメンテナンスに加えて空調設備改修工事のため長期休館、再開館は2021年1月15日からを予定しています。詳しくはジブリ美術館のホームページで最新情報をご確認下さい。同ホームページではスタッフ制作の動画日誌が連載中ですが、10月14日にアップされた回では、営業形態とメニューを大きく変更したカフェを体験する、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサー、宮崎吾朗監督らを見ることが出来たりもします。休館中はどうぞ動画日誌をお楽しみ下さい。
「野中くん発 ジブリだより」2020年12月号
 
 宮崎吾朗監督の最新作「アーヤと魔女」の放送日が発表されました。NHK総合で12月30日(水)の19時30分からの放送です。併せて声の出演者も発表があり、魔女のベラ・ヤーガを寺島しのぶさん、魔女と共に暮らす男・マンドレークを豊川悦司さん、黒猫のトーマスを濱田岳さん、そして主人公のアーヤをオーディションで選ばれた平澤宏々路さんがそれぞれ演じます。さらに、劇中歌を演奏するメンバーも発表になりました。「ゲド戦記」や「コクリコ坂から」と同様に、本作も劇中歌が重要な役割を果たしており、歌唱:シェリナ・ムナフ、ギター:亀本寛貴(GLIM SPANKY)、ベース:髙野清宗(Mrs. GREEN APPLE)、ドラム:シシド・カフカ、キーボード:武部聡志の各氏で構成されるスペシャルユニットが演奏します。
 舞台は1990年代のイギリス。アーヤは10歳の少女で、赤ん坊の頃から孤児院で育ちます。誰もが自分の思い通りにしてくれる孤児院の生活は快適でしたが、ある日奇妙な男女2人組が現れ、アーヤは引き取られることになります。2人は怖そうな魔女ベラ・ヤーガと、長身でいつも不機嫌そうなマンドレーク。アーヤはベラ・ヤーガに助手としてこき使われ、生まれて初めて〝思い通りにならない〞壁にぶつかります。反撃を開始するアーヤ。実はアーヤは魔女の娘で、周囲の人を操って、自分の思い通りにさせてしまう特技を持っていたのです。さて......。本作はスタジオジブリ初の全編3DCG長編作品となります。
「アーヤと魔女」の原作は「ハウルの動く城」と同じくダイアナ・ウィン・ジョーンズさんで、原作本は徳間書店から刊行中です(田中薫子 訳・佐竹美保 絵)。放送に合わせて、12月下旬には『ジ・アート』、『アニメ絵本』、1月には『ロマンアルバム』、『フィルムコミック』、『絵コンテ』がいつも通り同社から発売予定。また、吾朗監督に焦点を当てた書籍『どこから来たのか どこへ行くのか ゴロウは?』も同社から発売されました。上野千鶴子さんによるインタビュー、Kanyadaさんの写真等で構成されたユニークな本です。また、サントラ盤CDは1月6日(水)にヤマハミュージックコミュニケーションズより発売予定。皆様どうぞ宜しく。
 最後になりましたが、12月25日(金)には金曜ロードSHOW!で「風の谷のナウシカ」が放送されます。こちらもどうぞ宜しく。